第8章 地方自治
Chapter 8: Local Self-Government
第92条から95条までの4条項からなる第8章は、地方自治の原則を規定している。地方公共団体の長、その議会の議員は住民が選挙し(第93条)、地方公共団体はその財産管理、事務処理、及び行政執行の権能を有する(第94条)。また、一の地方公共団体のみに適用される特別法については、住民投票において同意を得なければ、国会は制定することができない(第95条)。
全国規模の選挙、特に都道府県単位で選挙区が編成されている参議院選挙では、人口が減少傾向にある地方と増加傾向にある都市で、一票の格差が深刻化している。2016年の選挙から人口の少ない県の選挙区を併合した合区が設けられた。一方で各都道府県の特色を国会に反映させるという意図から、憲法改正による都道府県単位による選挙区維持、すなわち合区解消を訴える声もある。
第8章 地方自治
〔地方自治の本旨の確保〕
第92条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。
〔地方公共団体の機関〕
第93条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
2 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
〔地方公共団体の権能〕
第94条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
〔一の地方公共団体のみに適用される特別法〕
第95条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。