2016

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草案<一部>

日本維新の会

Nippon Ishin no Kai

「憲法改正原案」1
2016年3月24日


第26条〔教育を受ける権利、教育の義務及び学校教育の無償〕
すべて国民は、法律の定めるところにより、その適性に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有し、経済的理由によって教育を受ける機会を奪われない。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。
3 法律に定める学校における教育は、すべて公の性質を有するものであり、幼児期の教育から高等教育に至るまで、法律の定めるところにより、無償とする。

第8章 地域主権

第92条〔二層制〕
自治体は、基礎自治体及びこれを包括する広域自治体としての道州とする。

第93条〔地域主権の本旨〕
自治体の組織及び運営については、地域における立法及び行政が住民の意思に基づいて行われるとの住民自治の原則及び国から独立した団体自らの意思と責任の下でなされるとの団体自治の原則を旨とする。
2 国、道州及び基礎自治体の役割分担は、住民に身近な行政はできる限り、身近な主体が担うとの補完性の原則に基づくものとする。国は、国家としての存立に関わる事務その他の国が本来果たすべき役割を担うものとし、それ以外の事務は自治体が担うことを基本とする。

第94条〔自治体の組織及び運営〕
自治体の組織及び運営に関する事項は、前条の地域主権の本旨に基づき、その自治体の条例で定める。
2 道州内における基礎自治体の種類、区域その他の基本事項は、地域主権の本旨に基づき、道州条例で定める。

第95条〔議会及び知事その他の長・直接公選〕
自治体には、その条例その他重要事項を議決する立法機関として、議会を設置する。
2 自治体には、その自治体を代表する執行機関として、道州にあつては知事を、基礎自治体にあつては長を設置する。
3 自治体の議会の議員、知事又は長及び自治体の条例で定めるその他の公務員は、その自治体の住民であつて日本国籍を有する者が、直接これを選挙する。

第96条〔条例制定権等〕
自治体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、この憲法に特別の定めがある場合を除き、法律の範囲内で、条例を制定することができる。
2 道州は、第九十三条第二項の規定により国が担う役割に係る事項以外の事項として法律で定める事項〔道州所管事項〕については、法律に優位した条例〔優先条例〕を制定することができる。

第97条〔課税自主権・財政調整〕
自治体は、地域主権の本旨に基づき、その自治体の地方税の賦課徴収に関する権限を有する。
2 自治体が地方税その他の自主的な財源ではその経費を賄えず、財政力に著しい不均衡が生ずる場合には、道州にあつては法律の定めるところにより道州相互間で、基礎自治体にあつては道州条例の定めるところによりその基礎自治体を包括する道州内で、財政調整を行うものとする。

第98条〔権限についての訴訟〕
国、道州及び基礎自治体の相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟その他法律の定める事項は、憲法裁判所で処理するものとする。(削る)

第5章の2 憲法裁判所

第75条の2〔憲法裁判所の権限〕
憲法裁判所は、次条から第七十五条の五までの規定による訴え又は移送された事件について、一切の法律、命令、条例、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する第一審にして終審の裁判所である。

第75条の3〔法令の抽象的合憲性審査〕
内閣総理大臣又はいずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員は、法律の定めるところにより、憲法裁判所に対し法律、命令、条例又は規則が憲法に適合するかしないかの確認の訴えを提起することができる。

第75条の4〔法令の具体的合憲性審査(通常裁判所からの憲法判断の移送)〕
通常裁判所は、その係属している事件について、当該事件に適用しようとしている法律、命令、条例若しくは規則又は当該事件に係る処分が憲法に適合するかしないかの判断を求める必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、当事者からの申立てにより又は職権で、これを憲法裁判所に移送することができる。

第75条の5〔機関相互間の争訟〕
前二条に定めるもののほか、憲法により権限を定められた機関は、法律の定めるところにより、その権限の存否又はその行使に関する紛争について、憲法裁判所に対し、訴えを提起することができる。

第75条の6〔憲法裁判所の判決の効力〕
憲法裁判所の判決において憲法に適合しないとされた法律、命令、条例、規則又は処分は、当該判決により定められた日に、効力を失う。
2 憲法裁判所の判決は、すべての公権力を拘束する。

第75条の7〔憲法裁判所の構成〕
憲法裁判所は、十二人の裁判官でこれを構成し、法律の定めるところにより、衆議院、参議院及び最高裁判所がそれぞれ四人を任命する。
2 憲法裁判所の裁判官は、識見が高く、かつ、法律の素養のある者の中から任命されなければならない。
3 憲法裁判所の長たる裁判官は、憲法裁判所の裁判官が互選した者について、天皇が任命する。
4 憲法裁判所の裁判官は、任期を六年とし、再任されることができない。

第75条の8〔裁判官の身分の保障〕
すべて憲法裁判所の裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
2 憲法裁判所の裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。憲法裁判所の裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことはできない。

第75条の9〔裁判の公開〕
憲法裁判所の裁判は、法律の定めるところにより、公開法廷でこれを行う。

第75条の10〔憲法裁判所の規則制定権〕
憲法裁判所は、第七十五条の三から第七十五条の五までの規定による訴え又は移送された事件に係る訴訟に関する手続並びに憲法裁判所の内部規律及び事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。